決裁ルートの概要

汎用申請では、各種申請書を既定のルートに沿って回覧ができます。
決裁ルートには以下のような特徴があります。

  1. 組織図よりルートを自動生成
    -組織変更が発生しても決裁ルート設定の大幅な見直しは不要

  2. 決裁ルールの管理
    -ルールに基づき自動的に決裁ルートを生成

  3. ルールの適用日を世代管理
    -決裁ルールが変わる場合でも予め登録が可能
    -また、新旧ルールでの並行運用が可能

  4. 柔軟なルート設定が可能
    -ルート情報の部品化が可能
    -組織単位に個別にルートの設定が可能
    -組織階層を越えて特定部門、特定者へ回付可能

(1)決裁ルートの特徴

■組織図の階層(レベル)の指定による決裁ルートの自動生成

当システムの組織図は、組織階層(レベル)を管理しています。例えば、以下の組織のように、本部をレベル2、部をレベル3、課はレベル4といったように定義します。また、組織内の審議者(書類の承認者、押印者)を組織ごとに管理しています。
よって、下記例のように部長決裁の申請書なら、レベル3で決裁と定義するだけで、自動的に決裁ルートの生成が可能です。

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■決裁ルールを管理し、ルールに基づき決裁ルートを自動生成

当システムでは、書類ごとに規定されている決裁ルールを管理できます。以下の例のように、与信稟議書の金額の値によって、自動的に決裁ルートを変更可能です。よって、申請者が規定を意識せずに起案することが可能です。
また、決裁ルールの適用開始日を ”適用日” として世代管理しています。決裁ルールが変わる場合でも予めルールの登録が可能で、かつ、新旧ルールでの並行運用が可能です。

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■柔軟なルート設定が可能

組織内の申請書は、重要度や、性質によって様々なルートで回覧されます。当システムでは、組織内の様々なルールに対応できるようになっています。例えば、下記、取引基本契約書のように、申請直後に特定者がチェックを行う、決裁後に役員に回覧する、また、交通費精算のように申請する部門によってルートを変える等柔軟なルート設定が可能です。

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(2)決裁ルートの管理

■申請書

当システムでは、各種申請書で使用する決裁ルートを "申請書" として管理します。申請書は、決裁ルートの基本となり、必ず必要となります。
決裁ルートは、申請書の設定にて、申請部門単位で設定を行います。

■申請部門、部門レベル

申請部門に対して決裁ルートを設定します。
当システムでは組織図の部門と、決裁を行う部門を区別しており、後者を ”申請部門” と呼びます。
申請部門は、組織図の部門と、組織図の部門だけからは判断することのできない部門に分けることができます。
組織図の部門だけからは判断することのできない部門には以下のものが考えられます。

  • 組織図上には存在しないグループが組織内にあり、グループ単位で決裁を行う場合

  • 同じ部署でも決裁者が違うような場合(例えば、課長代理が二人いて決裁ルートが異なる)

組織図の部門だけから判断できない申請部門は、「組織図の作成・変更」で登録します。

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また、決裁ルートを作成する際には、組織図に設定されている部門審議者の情報を元にルートを生成できます。
組織図ルートを使用する場合は、決裁者の設定を組織図の階層(レベル)で指定します。指定するレベルを ”部門レベル” と呼びます。例えば、上図の組織図で、”部門レベル3で決裁” と指定すると、部長決裁、”部門レベル4で決裁” と指定すると課長決裁となります。

■部門審議者、代行者について

”部門審議者” とは、組織図の作成で各部門に設定された審議者を指し、組織図ルートを使用した際の各申請書の承認を行う人を指します。
「課」なら、「課長」「課長代理」に該当します。1つの部門に複数の人を設定できます。
”代行者” とは、”審議者” が長期休暇や、不在等で審議を行えない場合に代わって審議を行う人です。代行者は、”審議者” が指定すること、およびシステムであらかじめ設定しておくことが可能です。(システム設定が優先されます。)

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(3)決裁処理の用語

■決裁処理権限

審議者の処理権限には以下の種類があります。

審議権限 説明

審議

審議(承認・否認・差戻し)を行います。審議を行うと次の審議者に回ります。

審議(並行)

複数審議者が並行して審議(承認・否認・差戻し)を行います。並行審議者全員が承認を行うと次の審議者に回ります。並行審議者の誰か1人が否認・差し戻しを行うと、申請者または並行審議者のブロックより前の審議者に戻されます。

決裁

決裁(決裁・条件付決裁・否認・差戻し)を行います。その申請書に対する最終判断となります。
最終審議者の権限が"決裁"となります。

回覧

申請内容の確認を行います。確認することにより次の審議者に回ります。

同報

申請内容の確認を行います。

戻り

申請した案件のすべての審議が終了し、申請者に戻した場合の権限です。内容の確認を行います。

受付

ルートの変更を行います。

合議受付

合議審議の場合の受付者となります。システムで設定されている合議候補者の中から合議者を選択します。

合議

その案件に対する審議の意見(承認・否認・差戻し)を述べます。合議者の場合の審議は意見であり、否認や差し戻しを行っても、申請者に戻されるわけではありません。

合議審議

合議者の意見を参考に審議を行います。行う作業は、審議または決裁と同様です。

■審議行為

審議者が行う処理には以下の種類があります。

審議行為 説明

承認・決裁

審議者が申請に対し承認する行為。最終審議者が承認すると、決裁となります。

否認

審議者が申請を却下する行為。
否認は、申請書ごとに使用有無を指定可能です。

差戻し

再申請または再審議を促す場合に使用します。差戻し時には、差戻し先を指定します。
例えば、申請内容の不備を指摘し、再申請を促す場合は、申請者に対して差戻します。
差し戻された申請者は再申請が可能です。
自分より前の審議者に対して再審議を促す場合は、自分より前の審議者に対して差戻します。差戻された審議者から審議をやり直すことになります。

条件付決裁

決裁時に条件の入力が可能となります。
条件付決裁は、申請書ごとに使用有無を指定可能です。

決裁取消

決裁後の回覧者が決裁を取り消すことができます。
取り消された場合、申請者に戻り、必要に応じて再申請が可能です。
決裁取消は、申請書ごとに使用有無を指定可能です。

確認

内容の確認のみ行います。

■審議行為と決裁処理権限の関係

決裁行為と権限の関係は以下の通りとなります(○:可能 ×:不可)

権限\行為 承認・決裁 否認 差戻し 条件付決裁 決裁取消 確認

審議

○ ※1

×

×

×

審議(並行)

○ ※2

○ ※1

×

×

×

決裁

○ ※1

○ ※1

×

×

回覧

×

×

×

×

○ ※1

同報

×

×

×

×

×

戻り

×

×

×

×

×

受付

×

×

×

×

合議受付

×

×

×

×

×

合議

○ ※2

○ ※1

×

×

×

合議審議

○ ※1

×

×

×

※1:否認、条件付決裁、決裁取消については、使用が許可されている場合のみとなります。
※2:審議(並行)、合議については、決裁を行う権限を持たせることはできません。

■決裁状況

申請書(案件)の決裁状況は以下の状態があります。

決裁状況 状態

審議中

審議者が審議を行っている状態

取下げ

申請者が審議・回覧中の申請書を取下げた状態

保留

申請を保留している状態を指し、審議者にはフローしていない状態

決裁

決裁(可決)された状態

否認

却下(否決)された状態

差戻し

審議者が申請者に対して申請書を差し戻した状態

差戻し保留

審議者が自分より前の審議者に差し戻した状態

条件付決裁

決裁されたが条件がある場合

決裁取消

決裁が取り消された状態

回覧中

申請書のルート種別が「回覧・同報のみ」の場合の回覧中の状態 ※1

回覧完了

申請書のルート種別が「回覧・同報のみ」の場合の回覧が完了した状態 ※1

完結

申請書のルート種別が「審議・決裁を行う」の場合に、申請者が「戻り」の承認を行った状態 ※2

※1:ルート種別「回覧・同報のみ」とは、審議・決裁を伴わないルートを指します。
※2:ルート種別「審議・決裁を行う」とは、審議・決裁を伴うルートを指します。